第18回東京湘南絵画展が盛大に開催される!
湘南の風土に発した色と形のきらめき
東京湘南絵画会は、どこをとっても主宰者・竹市和昭氏のお人柄が深く浸透しているように思われる。それは一言でいえば南欧風のカラフルな明るさであり、決して人を分け隔てしない開放感だろう。
印象派が実践した原色のきらめきは、この会ではより風土と同化し、理屈だけに終始しない形で日々の生活にずっしりと根を下ろしているように思われる。描かれるのはときによって、地中海や太平洋の沖合いを行くヨットの白い帆であったり、テーブル上を賑わすグラスやジョッキであったりする。だが、それらはいつも現実の生活だけが発する深い輝きとある種の落ち着きに満ちている。そして結局は師の美感を通して、近代ヨーロッパの洒落たエスプリと交感し合うのだ。
この展覧会は2000年に産声を上げたという。茅ヶ崎市民ギャラリーでのことだ。第15回からは東京都美術館に場所を移し、以来営々として毎年発表をつづけてこられたのは、絵というものを通してそれぞれが生活にメリハリを獲得し、夢と希望を強く実感してこられたからではないだろうか。
芸術を愛好し、なかんずく創造するということは、人々にそれだけ大きなインパクトをもたらしてくれるのだ。
生活に終わりがないように、アートにも決して終着点はない。これからも竹市和昭先生の美的エネルギーが、メンバーたちの絵心を温かく包みこみ、これからやってくる新人たちをも含めてすべての人々を鼓舞しつづけることを、心より願わずにはいられない。(東京都美術館ギャラリーB 平成29年5月4〜10日)
勅使河原 純