武蔵野美術学園は、武蔵野美術大学が1969年につくった社会人を主対象とした学校です。以来多くの卒業生を世に送り出し、修了生の会である校友会は今年満15周年を迎えました。それを記念し6月17〜22日の6日間、武蔵野市民文化会館で記念展を開催しました。
また6月17日には、学園2号館4階第一講義室において、日本画家・土屋禮一先生をお招きし、記念講演「描くこと、生きること」を開催しました。その後会場を3号館学生ホールに移し、卒業生・在校生をあわせて盛大な記念パーティーが行われました。いずれの会場も大勢の参加者で、あふれんばかりの盛況でした。 |
|
丸亀敏邦学園長
|
● 講演会
土屋禮一先生は岐阜養老市に生まれ、お父上が日本画家・土屋輝雄画伯であったことから、自然に絵の道に進 まれたということでした。加藤栄三・東一先生のもとで日展に出されるようになった経緯からお話しがはじまり、
人は一生の間にさまざまな形で53人の恩師に出会う運命にあること、自分は少年時代には孤独で空の雲ばかり見上げていたなど、興味つきないエピソードが数多くご披露されました。武蔵野美術学園にも、10年以上に渡って教鞭を執られるなど大変深いご縁がおありです。参加者はみな身を乗りだし、耳をそばだてて聞き入っていました。お作品やご経歴はこちらから⇒
土屋先生、太田先生を囲む修了生たち |
● 記念パーティー
講演会の熱気がいまだ冷めやらぬうちに、校友会の記念パーティーがはじまりました。丸亀敏邦学園長をはじめ、林祥三校友会長、鈴木利昇副会長、校友会幹部の大栗安希代さんなど気さくな方が多く、実になごやかな雰囲気でした。水墨画家の水上白玲さんが、やや遅れてホールに入ってこられた土屋先生と太田國廣先生をしっかりとキープし、カメラでパチリ(写真)。ご覧のとおり会心の一枚となりました。
太田先生は東京藝大のご出身ですが、吉祥寺校舎の自由闊達な空気が大好きなご様子で、「アートという実技を目指す者にとって、こんな学びやすいところは日本中探してもないと思うよ」と一言。ほかのテーブルでは、大坪道子さんや寺崎奈奈さん、小山緑さんの作品(写真)に対する称賛の声が、盛んに上がっておりました。
和気あいあいの記念パーティー
● 展覧会
記念パーティーでの評判に押されるようにして、武蔵野市文化会館へ。ステンドグラスが印象的な建物は、JR三鷹駅から歩いて15分ほどのところにあります。ギャラリーには会友50人と先生方の作品6点が並べられていました。こうしてみると、やはり日ごろの研鑽は隠せないもので、よく精進した人の絵ばかりが目に飛びこんでくる気がします。なかでも丸亀学園長の「Jazz session part 4」は、和紙に水墨という東洋風でありながら裸婦に横文字をあしらった何とも秀逸な一点。「学園は(創る)をめざす場。美しいものをつくる創造力を大切に育てていくことです」という日ごろのお考えを、そのままご自身で実践されたような描き振りでした。(by JAO)