和らぎ調和し、そして邁進する「諧展」
「諧展」は、グループ諧の会員66名が年に一度、100号前後の作品を持ち寄って開くはなやかな展覧会です。100号といえばなかなかの大作ですが、会員の多くが二紀会をはじめ旺玄会、一水会、女流画家協会、太平洋美術会、第一美術協会、中央美術協会、一陽会、朱葉会、主体美術協会、独立美術協会など、わが国を代表する錚々たる美術団体に所属しているので自然にそうなるのだと思います。
「諧展」の諧とは、和らぐ、調和する、仲良くするという意味の言葉で、会員たちがそれぞれの個性を存分に発揮しながら、大きなベクトルでは一つにまとまっていく指針となっています。だいたい主宰者・宮田翁輔氏自身、人の気持ちを和らげ、調和させ、結果仲良くさせる天才です。人を冷たい信念や思想で縛るところがない。ギリギリと追いつめていく狭量が少しもありません。
二紀展出品の「静けさの中で」でも窺われるとおり、悠久の大地に立ち、ときの流れを主題としてアートに対してきた作家ならではの懐の深さとでもいうのでしょうか。その辺りは第16回展ともなると、それぞれの会員たちにもよく浸透していて、こせついた作品や人物は見当たらないようです。グループは自由で豊かな発想のなかに、一つのハーモニーを醸し出し、仲間たち全体がレベルアップしていくことを目指して、つねに邁進しているのです。
第16回展
会期/2011年12月5日(月)−12月11日(日)
会場/横浜市民ギャラリーあざみ野1F、2F
宮田翁輔氏 略歴
1942年 愛媛県新居浜市に生まれる。
1965年 多摩美術大学絵画科卒業
1972年 二紀会初入選、以後二紀会に出品をつづける。
1976年 二紀会にて二紀賞受賞、同人に推挙
1986年 二紀会にて栗原賞受賞
1988年 二紀会にて会員推挙
1990年 二紀会にて宮本賞受賞
1994年 二紀会にて会員優賞受賞
1996年 国際文化交流基金よりイギリスに短期留学
1999年 二紀会にて委員推挙
2000年 二紀会にて鍋井賞受賞
2003年 二紀会にて文部科学大臣奨励賞受賞
現在 二紀会委員、日本美術家連盟会員 |