曽根裕 「The Light between Trees #2」2010年、大理石、70×55×128cm |
そうだ、南アメリカのギアナ高地だ。そしてわれわれ日本人が日本列島に抱いているイメージも、かなりの部分重なってくる。かろうじて海面から顔だけ出している現代都市。その危うい輪郭が、中国伝来の職人技〈スカートつき彫刻〉として提示される。 「木のあいだの光 #2」(写真)の方は、どうだろうか。木立のあいだから朝の新鮮な光が漏れてくる。そのするどく四方八方に拡散する様が、至極まっとうに大理石へ写しとられる。光線は無論のこと足つきだ。この無理やりな彫刻作法が人々にあたえるインパクトこそ、いまの彫刻(静止立体像)の美しくもはかない姿なのかもしれない。 |