当節ライブラリー(図書室)を持たない美術館は、ほとんどないといっていい。そこでは司書資格を有したスタッフが、展覧会カタログはもちろんのこと古今東西の美術資料を、開館中ならいつでも閲覧できるようにしている。しかし、資料の館外貸し出しまでやっているところはまずないだろう。当方も寡聞にして耳にしたことがない。それは美術館ライブラリーが、まだ本当の意味で図書館になり切れていない からである。
だから展覧会を見逃した人がそれをもう一度楽しみたければ、街の古本屋さんで目指すカタログを見つけ 出すか、ライブラリーで全ページ分カラーコピーするしかない。(実はこの行為は著作権法で禁じられて いる)。美術ファンにとっては、何とも厄介な現状だ。そこに今回登場した新コーナーの画期的な意義が ある。美術館は図書館の新しい機能を積極的にアピールし、図書館は美術館の協力でアートの分野を充実 させる。
世田谷区もこうしたサービスを、区立図書館ビジョンの「地域特性を活かした図書館:立地特性や地域の 歴史を活かした事業を実施し、地域の文化・情報の発信や地域文化形成を支援する」活動として強力に後押ししている。
図書館・美術館のサービスアイテムは、おおよそ出尽くしているように思われているが、どうしてどう して、実際にはこれから開拓していくべきところが多いのである。 [玉川台図書館HP]

 

 


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