「自分が、そうだと思いこんでいる自分」、「人が外から勝手に押しつけてくる自分」。いまの時代は、この二つが極端に分かれる傾向にある。それでは一体どちらが本当の自分なのか。どちらに軸足を置いて振舞えばいいのか。考えれば考えるほど途方に暮れる難題だ。
ところがここに、決して揺れ動かない自分がある。指紋、虹彩、血液型、ふるまいグセ、思考パターン、声紋、鼓動、そして究極的には遺伝子の配列。「これも自分と認めざるをえない展」のディレクター佐藤雅彦は、これらを自分の〈属性〉と呼ぶ。この属性が前述の二つの自分とは別に、社会に出てさまざまな試練に出会い、闘わねばならないとしたら…。奇妙な現象は、もうとっくに始まっているのだ。(by JAO)
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