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とっても気になるあの展覧会へ「行ってきました」

 

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○「名和晃平 展」

いまもっとも注目を集めている若手彫刻家の発表だ。内容をやや現代アート風にご紹介すると、タイトルは化学用語で「合成」を意味する“synthesis”。その概念のもと彼の代名詞ともなっているBEADSが新たな展開をみせ、ドット繋がりを想わせる無機質なドローイングインスタレーションと相俟って、一種ただならぬ神秘感を漂わせている。
要するに、鹿さんの剥製に大小さまざまなビーズ(ないしはレンズ)が、びっしりと貼りつけてある。あるビーズを覗くと首の辺りの剛毛がぐっとアップになるし、角度を変えると今度は鼻先が目に飛びこんでくるといった按配だ。そこに確かにあるはずの鹿さんは、こうしてシカとは捉えられなくなる。みる人ごとに別の像を結んでしまうからだ。
名和晃平はこれをリアルとバーチャル、デジタルとアナログのあいだをイメージや認識がトランスコードされることで所在が揺らぎ、より今日的なイメージ、新しい感覚が開かれていくという。
それにしても、この鹿さんのイメージは一体どれほど揺らいでいるのだろう。 お知りになりたい方はこちらから⇒

名和晃平 展

名和晃平
Kohei Nawa
PixCell-Double Deer
2010
h.142×w.78×d.71cm
mixedmedia

撮影:表恒匡
Coutesy of SCAI THE BATHHOUSE

(SCAI THE BATHHOUSE、2010年9月24日〜10月30日)

★★★★★

 

○「あいちトリエンナーレ2010」

わが国の経済を牽引していく自動車産業の挫折からか、中部地方はいまひとつ意気が上がらない。そんなモヤモヤした空気を一気に吹き飛ばそうと「あいちトリエンナーレ2010」が、8月21日にスタートした。テ ーマは都市とアートが複合的に響きあう「都市の祝祭」。メーン会場となった愛知芸術センターでは蔡國強の大ドローイング「Day and Night」、バングラデシュ出身のフィロズ・マハムドの穀物でつくられた 戦闘機、曾建華のテロップ・インスタレーション(写真)などが、それぞれの世界をくり広げた。また大小 のホールを動員して、ローザス製作「3Abschiedドライアップシート(3つの別れ)」をはじめ、平田オリザ+石黒浩研究室のロボット版「森の奥」など、現代美術と舞台公演・パフォーミングアーツの合体した ユニークなステージが、連日試みられていく。 つづきはこちらから⇒

あいちトリエンナーレ2010
あいちトリエンナーレ2010
 
曾建華 「The Seven Seals」2010年、プロジェクターによるテロップ [動画]

(愛知芸術センター、名古屋市美術館、長者町会場、納屋橋会場ほか 〜2010年10月31日)

★★★★★

 

○「オルセー美術館展2010−ポスト印象派」

モネ、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャンなど、その数115点。それぞれの画家が歴史の上ではたした比類なき役割を、再認識させてくれる名品ばかりだ。モネのタッチは万物の輪郭を光のうつろいのなかに溶かしこみ、セザンヌのハッチングは東洋の水墨画をも凌ぐ水茎の跡をみせる。
だが、それらの作品をおしのけて私がもっとも注目するのは、アンリ・ルソーの二大傑作だ。ひとつは普仏戦争時のパリを彷彿とさせる「戦争」(1894年)。もうひとつは熱帯の神秘をシンボライズする「蛇使いの女」(1907年、写真部分)。「戦争」には通常あり得ない、矛盾に満ちた〈素朴な表現〉が数多くみられる。一方「蛇使い女」には、何とそうした表現は一ヶ所もない。
ふぅーん。蛇使いの女が「立体性を問われない黒いシルエット」で扱われているためだけではなさそうだ。世の中には素朴にしか描けない画家と、素朴には描けないアーティストがいる。そのことはよく承知しているつもりだ。だが天才ルソーはどうやらその二つの間を、気随気ままに行ったり来たりしていたらしい。 〈素朴な表現〉をもっと知りたい方はこちらから⇒

ルソー「蛇使いの女」
会場風景 8/12
ルソー「蛇使いの女」
会場風景 8/12

(国立新美術館ほか 〜2010年8月16日)

★★★★★

 

○森村泰昌・なにものかへのレクイエム

80年代から一貫して名画の登場人物たちに扮してきた森村泰昌。その奇抜にして、どこか懐かしいセルフポートレイトは、ついに20世紀を生きた男たちの集大成へと向かう。今回美術館で発表されるのはその完全版だ。
石田哲朗学芸員に案内され、会場に姿を現した「森村に扮した森村泰昌」は、開口一番「言葉は重荷である」などという。小説家の平野啓一郎が「横尾忠則やドナルド・キーンなど、三島由紀夫と親しかった人たちにはある共通点がある。それはすぐ三島の口調を真似することだ。三島やマイルス・デービスには、人が真似したくなる何かがあるのだろう。そこへいくと森村さんは、真似しようと思わないような人たちばかりやっている」と水を向けると、「(私のやっていることは)高野豆腐をふやかしていくみたいな作業。時間がたってカチカチに乾燥したものを、森村というダシの利いた美味い汁で、いま一度生き生きと甦らせることだ」と応じていた。

(東京都写真美術館ほか 2010年3月11日−5月9日) 

詳しくはこちらから⇒     [動画]

★★★★★

 

○世田谷産のコットン・糸・布でつくった、家族のいま

衣服デザイナーの眞田岳彦さんが、世田谷文化生活情報センター・生活工房で〈セタガヤーンプロジェクト〉をまとめて報告する、かなりユニークな展覧会を開いている。題して「I’m home ただいま 衣服−家族」。
このプロジェクトは家族のより良いあり方をさぐるフィールドワークとして、眞田さんと生活工房が3年前にスタートさせ、じっくりと育ててきたもの。
たとえばマンションのベランダや校庭など思い思いの場所で、1000人を超える人たちにコットンを栽培してもらう。とれた綿で世田谷特産の糸(セタガヤーン)を紡ぐ。それを使って布を織り、あつめてきた草木や土で染色する、とどこまでも生活感あふれる手づくりだ(写真)。
でき上がったのは約30体の衣服、すなわち人型となぜか一頭分の馬型。よくみると衣服にはさまざまな模様が施されている。これは眞田さんによると、家族の絆を象徴する大切な家紋なのだそうだ。
詳しくはこちらから⇒  オープニングの様子はこちらから⇒

[動画]
(生活工房 2010年2月27日-3月14日)

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○「ルノワール −伝統と革新」展

一般公開に先立ち1月19日、国立新美術館で報道内覧会が行われた。「何で私が報道?」などと思いつつ六本木へ向かう。だが会場に足を一歩踏み入れたとたん、ルノワールの柔らかい包みこむような世界に魂を吸いとられてしまった。
「アンリオ夫人」(写真)のいまにも掻き消えそうな薄描きに、期せずしてはかない愛おしさを感じる。画家はこの駆け出し女優に絶対恋していたのだ。生涯独身だったアンリオに“夫人”とは、中年男の途方もない妄想がからんでいるかもしれない。
コレクターのご子息「ポール・ムーニエ」お坊ちゃまも可愛い。そうそうさっき西野華子学芸員が「これは日本初公開です」といっておられたっけ。彼女は85点残らず頭にインプットしている様子だった。耳許で松坂慶子さんが優しくささやく。その明るい声が、ルノワールのいかにも幸せそうなイメージとぴったり重なり、こちらまで浮き浮きしてくるから不思議である。(音声ガイドですが)

(国立新美術館 2010年1月20日−4月5日)

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